「韓国強制併合100年」共同行動日本実行委員会

「韓国強制併合100年」共同行動日本実行委員会結成   

 2010年は、戦後65年目の年。同時に「韓国強制併合100年」でもあります。この国にとって大きな節目の年になるものと推測されます。おりしもNHKは、司馬遼太郎原作『坂の上の雲』をドラマ化、11月末から放映を開始しました。3年にわたって放映されます。

伊藤成彦共同代表

ドラマが今後どのような展開を見せるかは不明です。しかし、司馬がこの小説で「日露戦争までの日本はよかった」という「明治栄光論」を唱えたことはつとに知られています。他方、司馬は日本の朝鮮支配がどのように進行したかについては具体的なことは何も論述せず、「日本は、その歴史的段階として朝鮮を固執しなければならない」と植民地化を正当化しています。このようなドラマが、2010年という年をはさんでNHKで放映されることの影響の大きさを憂慮せざるをえません。


 一方、鳩山政権は「東アジア共同体構築」を外交の柱に据えています。そして、鳩山首相は、11月にシンガポールで開催されたAPECで、「この地域では、ほかならぬ日本が、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた後、60年以上がたった今もなお、真の和解が達成されたとは必ずしも考えられていない」と演説しました。

 この演説を素直に読むならば、新政権は「アジア諸国の人々」との間に「真の和解」を達成していくことを自らの課題としていくかのように見えます。しかし、新政権の方向性は定まってはいません。

 そうであるならば民衆の側から植民地支配、侵略戦争の過去に今一度向き合い、それを克服していく道筋を開いていくことが問われています。



日本と韓国との間で植民地主義清算は終わっていません。「植民地化合法」論や“慈悲深い植民地経営”論などが今も横行し、軍隊「慰安婦」、強制連行、ヤスクニ合祀などの問題は未解決のままです。日本と朝鮮民主主義人民共和国との間には国交関係さえありません。このような状況を放置したままで「韓国強制併合100年」を迎えるならば、「未来志向の関係」も「東アジア共同体の構築」も何ら内実を伴わない空疎なものとなることは必定です。

 今こそ植民地主義清算と東アジアの平和の未来を構築していくために日本と韓国、東アジアの民衆が手を携えて共同していくときです。すでに韓国でも64団体がひとつにまとまって日本の市民団体と共同で、2010年8月、日韓の市民を中心に過去を清算し平和の未来を切り開いていくことを宣言する「日韓市民共同宣言大会」を開催することを計画しています。このような動きを受けて、私たちは、日韓市民が共同行動を推進していくいために「『韓国強制併合100年』共同行動日本実行委員会」を1月31日に結成しました。


 呼びかけ人

青柳純一、梓澤和幸、荒井信一、石井寛、伊藤成彦李洋秀、内田雅敏、内海愛子、尾澤邦子、岡田卓己、加藤正姫、鎌田慧、亀田博、姜徳相金賛汀、古庄正、東海林勤、鈴木裕子、宋富子、高田健、田代美江子、田中正敬、崔善愛、筑紫建彦、寺尾光身、土松克典、中川美由紀、中原道子、中山武敏、野平晋作、

樋口雄一、飛田雄一、福留範昭、布施哲也、前田憲二、増田都子、松尾章一、水田洋、光延一郎、持橋多聞、森正孝、安川寿之輔、矢野秀喜、山田昭次、渡辺一夫、渡辺健樹